京北堂のプロダクトデザインを担当している安井です。
我々の拠点である京北から162号線の周山街道を通って京都市内へ向かう(下山、と僕は呼んでいる)途中、中川トンネルというトンネルを通過する。
行き帰り、時間に余裕のあるときは中川トンネルを抜けずに中川の町中を通り、中川八幡宮を参拝するようにしている。
中川の町はトンネルの影響もあって車の通りも少なく寂しげな印象も受けるが、過去に利用された磨き丸太の加工所の建築や、どこか温もりのある民家の建築などが独特の雰囲気を醸し出していて好きだ。
参拝では、いつも自然の恩恵を受けながら京北堂の仕事をさせて頂いていることを感謝しながら手を合わせている。
そのあと、ご神木である八幡宮大杉にご挨拶。
境内の案内板によると、北山杉の母樹と呼ばれるこのご神木は推定樹齢600年であり中川では最も樹齢の高い樹だ。
北山の林業は、この母樹の枝から挿し木によって苗木を作り植林するという形で数百年行われてきたそうだ。
一本の樹から、挿し木によって、数百年植林していた。
母樹を前にするといつも歴史の重みと自然の偉大さが肩にのしかかってくる。
潰されるようなその重みは、京北堂の仕事をするための最も大事な素材になっている。
安井
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