トイレの話し

京北堂プロダクトデザイナーの安井です。

京北堂の事務所に美術作品を飾ろう!という嬉しいご指令を頂いたのですが、知らない間に「展示する場所ないから、トイレのドアを美術作品っぽくしよう!」に変化していた。
美術作家としては一瞬戸惑いを感じてしまうところですが、よくよく考えていくと「トイレのドアをアーティスティックに」
これめちゃくちゃ面白いですよね。
トイレは、プライベートな空間を作るために配慮していくと、一般的に隅っこで必要なときにしか目につかないような敬遠される存在になっている気がする。
そういった空間作りが「恥ずかしい」という感覚を生むことを助長しているように感じた。
京北堂のデザインはその逆を行ってみよう。
人間の体内の循環は、排泄という現象によって完璧なプログラムが成立している。そしてその見事な循環はトイレという場所によって完遂される。
循環というプロセスを平面充填(へいめんじゅうてん)のデザインを用いて表現し、作品として仕上げることによってトイレの存在感を強めると同時に敬意を表しました。

このコンセプチュアルなドアが作る概念が、トイレの価値観を変えていく存在になれば良いと思っています。
学校で恥ずかしかったり笑われたりするのが嫌で安心してトイレができない。その結果、身体を病んでしまう子供もいる。
子供が安心してトイレに行けるような場づくりをデザインしていくのも私たちの仕事だと思っています。

事務所のトイレの扉

ちなみに猫は決めた場所でしかトイレをしないそうです。
こだわりが強いのでしょうか。猫のトイレ論も聞いてみたいところ。

安井

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